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土曜日の夜の聖アレッシオ

聖アレッシオ

Stefano Landi - Il Sant' Alessio (Theatre de Caen 2007) [DVD] [Import]
Stefano Landi - Il Sant' Alessio (Theatre de Caen 2007) [DVD] [Import]

見てしまいましたよ~。音楽・衣装・照明どれをとっても 幽玄な世界にどっぷりはまりました。隅々にまで演出家と劇場が徹底的にこだわりぬいた美意識のようなものが張り巡らされていて、完璧ですよ。
あっと驚くような派手な仕掛けも、キテレツな衣装も装置も一切ありません。
ただひたすら、ろうそくの明かりの中で音楽劇そのものを堪能する・・ああ、なんて贅沢。

初演当時の再現という事にこだわりぬいて、舞台に上がるのはカウンター・テノールだけでなくて、テナーやバスといった歌い手さんたちがおりました。でも舞台に上がるのは大人も子供も男子のみ。

カウンター・テノールの声質にもいろいろあるんですね。楽しかったわん

以下、感想を。




**********************************************

バロック初期のオペラとありますが、シロウト耳にはルネッサンスとバロックのどちらかわからない時代のシンプルな音楽。複雑な音や和音が入り込まないだけに、歌い手さんたちの現す感情がストレートに伝わってきます。
ストーリーも超シンプル。
①名家の子息でおそらく何の不自由もないアレッシオが信仰のために両親と美しい妻を捨てて巡礼 
 の旅にでかける。
②巡礼の旅の途中か終わりで乞食のようにみすぼらしい姿で家族いる家に住み着く。もちろんそんな みすぼらしい姿に家族は全く気づかない。お小姓に意地悪されたりまでする。
③アレッシオの信仰を捨てさせようと悪魔が邪魔をし、妻にアレッシオを探す旅をさせようとまで工作 
 する。乞食からの意見として旅はやめなされと妻に忠告する。
④悪魔の工作は失敗、アレッシオは信仰のうちに静かに息を引き取ってしまう。アレッシオの亡骸を
 発見し、残された手紙を読み、家族や友人は悲嘆にくれる。
⑤そこに天使たちが登場し、アレッシオの偉業を褒め称え聖人に列せられることを告げ、舞台が終わる。
・・・・たぶんこんな感じだったと思います。DVDの解説に一応、目を通しましたが、ううむ。・・・・私が書くとなんだか別のストーリーになってしまいました。ごめんなさいです。

アレッシオ演じるジャルスキーさんの絹のような声と美貌な容姿、姑役のサバタさんの演技に一瞬心がぐらつきましたが、マックス様のしっとりとした風情の女性姿にやっぱりマックス様ステキだわんと興奮しながら見ました。サバタさんとボンヌヴァルが演じる姑と乳母コンビ、ビジュアルは迫力満点ですが歌も演技も思いっきりステキでした。

劇中でカウンター・テノールの合唱はじめて聴きましたが、濃いものと思い込んでいただけに、透明感と深みがあって病みつきになりましたよ。

ジャルスキーさんのどアップ、様々な表情を浮かべる瞳に釘付け、あれはやばい。でも。マックス様の歌と仕草にはまぶしすぎて眩暈すら覚えました。マックス様の声には緊迫した感情がほとばしる、せつな~いアリアがよくお似合いです。ゾクゾクしました。
感情むき出し、髪振り乱して半狂乱気味になってもいいようなアリアであっても、時代のせいか、マックス様だからなのか判断がつかないのですが、どこか気高さがあって、押さえ気味の表現のなかに本来の深遠な苦悩が見えてくるようで、字幕がなくても思わずもらい泣きしそうになりました。
ええ、失神するシーンに私も失神寸前です。マックス様の手の動きや所作。これまた優美でした。

優美といえば、テリー君。白いレースでお顔以外すべて隠した ある意味、物凄い衣装で―宗教、ローマを現すアイコンであって人間ではないから当然ですが―登場ですが、歌声はもちろん、神々しくて光輝いていました。思わずテレビの前で合掌してしまうぐらいの 瑞々しさにあふれた気高い歌声でした。

テリー君もそうなのですが、舞台の上のカウンター・テノールの皆さんは西洋の男性ですから、女性と較べて身長もあるぶん、手がとっても大きいです。ですから歌に表情をつける手の動きが印象に残りました。

舞台に現れるコドモや天使役はカーン聖歌隊児童合唱団の少年たち。演出家さん、ひょっとしてビジュアルで選んでませんかぁ・・というアホな突っ込みは不要。細めの声ではありますが、可憐で美しかったです。少年たちはソロや二重唱、合唱と大活躍。カウンター・テナーのこゆい歌や演技に目も耳も奪われがちですが、この天使たちが果たす役割はこのオペラではかなり大きいです。
とりわけ少年+カウンター・テナー+テナー・バスの合唱は圧巻でした。

3幕のアレッシオの死に取り乱し、歎き悲しむ人たちで大混乱するところで登場する天使たちの合唱
は清らかそのもの。じ~んとしてしまいました。残念なのはコドモの声はやっぱり細いので、テレビで聞くと「おや・・・・なにか歌ってる?」と音量を上げないと聴く事ができません。おっきなボリュームでテレビを観る事ができればいいんですけど・・深夜の集合住宅ですから無理なんですよ。
とほほ。

成人の豊かなボリュームとコドモたちの歌声の対比は劇場で聴くからこそ、その醍醐味が味わえるんですよね~。テレビ放映でこれだけ感動できるのだから、実際はもっと凄かったんだろうな。

それにしても!アレッシオが狭い小屋の中で、天使に頭を預けて横たわる2幕のシーン、目に焼きついています。何かの宗教画のようでしたよ。演出家さん反則ですって!!

レザールフロリサンの古楽アンサンブルはまろやかな音でして、お気に入りとなりました。
オケピットにはバロック楽器奏者の女性はいましたが、舞台に上がるのは子供から大人まですべて男子。(→くどいですね。すみません)もちろん古風なダンスを披露するダンサーも男子。頸のなが~いダンサーがおりまして、その動作から、あら、女子のバレリーナじゃんと思ったら、しっかり喉仏がありました。なりきっています。
聖歌隊の指導者の女性がカーテンコールの舞台に姿を現した瞬間に、舞台が終わったんだと気づかされるほど、男子ばかりの舞台は違和感なく凄かったです。

録画したものをもう一度見ようかとも思いましたが、現実の世界に戻れなくなりそうなので、次の週末にとっておくことにします。

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