スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

H. シュッツ Kleine Geistliche Konzerteを聴いていました


Kleine Geistliche Konzerte
Kleine Geistliche Konzerte


パープー記事の後ですが・・・。

たしか昨年のクリスマスあたりから、シュッツをまじめに聴かないとな、と思い始めていて、聴きやすいかなと、思って取り出したのがこの1枚です。
録音時間55分なのに、いやはや、感想書くまでに2カ月もかかってしもうた。


数少ないボーイソプラノとカウンターテノールの組み合わせ音盤の中でペルゴレージのSebastian HennigとRené Jacobsのコンビによるstabat materが最も有名、名盤・殿堂入りの音盤となっています。
同じコンビでも、録音は今からさかのぼること30年前の録音、1982年、あの名盤の前に録音されたこのシュッツは素晴らしい。

さて、実はこのシュッツ「小教会コンサート」、聴くのにたいへん苦労しました。

まず、聴き手のエモーショナルな変化、季節の変化、どんな状況で聴いてもその世界に揺らぎが無い・・・え~とつまり、個人的にはパレストリーナを聞いているような感じなのです。
お詳しいかたからすれば ぜんぜん違う音楽じゃん、と失笑されそうですが、何度繰り返し聴いてもですね、完成された世界に、ただ茫然と怖れおののきながら聴くことを求められるような気がするのですよ。

小教会コンサートは1636年にライプチッヒで刊行されたSW282-305と3年後ドレスデンで発表されたSW306-340の二つ、5声までの声楽部分と通奏低音+αで演奏できるように編纂されています。こちらのアルバムタイトルは小教会コンサートではありますが、1647年に出版されたsymphony sacrae第2集から4曲も入っています。そのなかからソプラノのソロ曲か重唱曲13曲のみ。

1. Habe deine Lust an dem Herren SWV 311
2. O Jesu nomen dulce SWV 308
3. Wohl dem, der nicht wandelt SWV 290
4. Eile, mich, Gott, zu erretten SWV 282
5. Was betrubst du dich, meine Seele SWV 353(from Symphoniæ Sacræ II)
6. Herr unser Herrscher SWV 343 (from Symphoniæ Sacræ II)
7. Wie ein Rubin SWV 357(from Symphoniæ Sacræ II)
8. O suesser, o greundlicher SWV 285
9. Was hast du verwirket SWV 307
10. Bone Jesu SWV 313
11. Bringt her dem Herrn SWV 283
12. Ihr Heiligen lobsinget SWV 288
13. Herzlich lieb hab ich dich o Herr SWV 348(from Symphoniæ Sacræ II)

セバスチャン担当のソロ曲が6,8
Renéさんのソロが2、9、11、13
後は重唱曲で構成されています。


アルバムの冒頭 主によって汝の喜びをなせ、はブレスの音から緊迫のある歌いだしでその世界にひきこまれます。
それぞれの旋律が交錯し、気品ときまじめさに姿勢を正して、あるいみ緊張して聴いているとラストのアレルヤのあでやかさに心奪われます。


アラフォーとなったいまでもセバスチャンさんがいまなお人気のあるボーイソプラノであるというのはうなずけます。
ワタシも大好きです。
3 Wohl dem, der nicht wandeltでの高音域の透明感の美しさは息をのむくらいだし、声のヌケ感がずば抜けて心地良いです。4Eile, mich, Gott, zu errettenでの力強い冒頭はレスタティーボ風、低音域で気張った感じの歌い方と高い音域でのびやか。14歳にしてここまで表現できるのってすごいですね。5Was betrubst du dich, meine Seeleや7 Wie ein Rubin では柔らかいソロが印象的。
5分38秒の長いソロ曲の6Herr unser Herrscher は、器楽伴奏との一体感が見事、シュッツの生み出したメロディーが軽やかにあざやかです。
のちの作品集なので、曲調が違うのはあたりまえか。
同じくソロ曲の8O suesser, o greundlicherは通奏低音のみの伴奏で、6と対極にある雰囲気です。旋律の展開とハーモニーがめまぐるしい10 Bone Jesuや Ihr Heiligen lobsinget はテクニック安定しています。

セバスチャンさんの声の美しさ、ドイツ語歌詞の明瞭さ、ずば抜けた技巧と表現は、お見事です。
ドイツ系少年合唱団のソリストとしてはナンバーワンなのではないかと思います。
たしかに完成されたRené Jacobsと比較すれば、音域の変わり目で声質が変わってしまうとか、フレーズが長く続かないといったボーイソプラノ特有の不安定さがないわけではないのですけど、声の美しさは別格。

René Jacobsのソロは2、9、11、13曲目
カウンターテノールの声って女性から中性的なイメージがありますが、René Jacobsさんの歌には成人男性がソプラノ歌っています的な声で安心します。(意味不明)非常に硬質な声キレ味鋭い歌声です。


さて「小教会コンサート」とのタイトルに、貴族とかある種の特権階級の方々のためのサロンで奏でられる声楽曲と勘違いしていたワタシ、ライナーノーツを読み愕然。
これらの曲が発表されたのは30年戦争どまんなか。
30年戦争でさまざまな人や物が失われていくのを目の当たりにした(らしい)シュッツは、最小限度の人数で演奏できるように と、宗教曲集を編纂したそうです。
そうせざるを得なかったというほうがただしいのかも。

こちらのディスクを聴いていると戦争に駆り出されなかった者たちが、教会に集った人たちのために音楽を奏でるとしたら。
音楽監督が集まった楽団のメンバーをチェックしてから、今日は、この演目、次はこっちと選曲してたりしたのだろうかと、想像してしました。

小教会コンサート4曲まとめて聴くと、セバスチャンとルネさんの硬質で真摯で緊張感にあふれた音楽にシュッツの慟哭が聴こえてくるようです。
それだけにアルバム頭から聴くと、たぶんA面あたりで力尽きてしまいます(たぶんワタシだけ)。

個人的にはSymphoniæ Sacræ第2集からのtrack5-7が好きです。


正直なところ 震災や原発事故といったこの時期に聴いてしまったせいか、今の私達の心模様をうつしとったような音楽の苦さを受け止めきれずにいました。
だけれども、もしも、違う状態で聴いていたとしても、同じような印象を持ったと思います。
それだけに記憶にのこる1枚になってしまいました。

You tubeにテルツのボーイズデュエットバージョンがアップされていました。


↑は往年のテルツのソリスト2名による演奏ですが、なんだか胸をえぐられるような印象があります。

やっと書けた(涙)

次は、ウィーン少名盤のひとつ、ハイドンのミサ曲「小オルガン」と「ネルソンミサ」です。

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

hiromian

Author:hiromian

日々のこと、少年合唱のこと、少しずつアップしてまいります

calendar
<07 | 2017/08 | 09>
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

検索フォーム
最新コメント
リンク
このブログをリンクに追加する
FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。