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レーゲンスブルク大聖堂聖歌隊 ~歌劇ヘンゼルとグレーテル~を聴きました

レーゲンスブルク大聖堂聖歌隊のヒストリカル音源シリーズ全6巻のトリを飾るのはフンパーディングのヘンゼルとグレーテル。

Regensburg Haensel und Gretel

フンパーディングの妹さんがグリム童話を題材にした台本をこしらえ、それに曲をつけたのだそうです(ウケウリ)。
すごい兄妹なんですね。
初演が1893年クリスマスシーズンのワイマール(ウケウリ)、指揮はR.シュトラウス(ウケウリ)だったそうです。

グレーテルはオペラの最年少ヒロイン、グレーテルもだけどリアルこどもが歌うにはテクニカルにも声量的にも難しい。コドモが歌う事を前提に作られたのではなくて、ヘンゼルもグレーテルも成人女性が演じる演目です。
しかあし。
こちらの録音では主人公と妖精さんをボーイズが担当、両親と魔女はオトナが担当しています。
そう、ある意味こどもオペラになっているんです。

写真と丁寧な解説が満載のブクレットは非常に充実しています。
レーゲンスブルク聖歌隊での初演が1930年1月24日だったそうで、当時の舞台写真が掲載されています。

そ・れ・が。
ぜええんんぶドイツ語。(涙)

歴史的には、そろそろ世界情勢がきな臭くなってきた頃。
1930年にはじまったこの演目は、1932、34、38年の公演は無かったか、データ紛失なのかはわかりませんが、戦争の終結するその年まで(1945年4月にも公演あり)地元やミュンヘン、ニュルンベルクまで赴き公演が続けられたようです。
主役を変声前の少年たちが歌う宿命ゆえ、年度毎に主役陣はほぼ交替しています・・ってそんなことがわかるのもライナーノーツに掲載された充実したメンバー表のおかげ。これを眺めていると、前年妖精さん役のソリスト君が翌年ヘンゼルかグレーテルに昇格している年もあるんだ~なんてこともわかります。

戦後は47年、52、53年、を除いて毎年度続けられ、54年に20公演、56年に2公演、大きく時代を開けて1969年9月―10月に映画?撮影されたのが最後、そのあとどうなったのかは触れられておりません。

第二次大戦の戦時下しかもドイツで演じられた少年たちのヘンゼルとグレーテルは、どんなふうに聴かれたのでしょう。
そしてドイツの敗戦濃厚となっていた時期から戦後にかけて、音楽学校の少年たちのオペラが毎年行われた理由が何であるのか、というようなことが気になってしまいます。
あ、でも。そんな瑣末な疑問に対する答えは、もしかしたら解説にあるのかもしれません。


54年の20公演というのは凄くありませんか?
この年はフンパーディング生誕100周年のメモリアルイヤーだったそうです。
まず2月から5月までに地元で9公演、ミュンヘンで5公演。12月は配役が入れ替わって6公演。54年春組の5月27日ラスト公演がこちらの録音となるようです。

さてCDですが、2枚組の1枚目の前半は、T.Schrems指揮で1933年。
3曲のみですが、現代からすると古めかしい感じのある歌唱、だけどかもしだされる豊かな詩情は聴いていて泣けるくらい素晴らしい。
そのあと1954年5月27日ミュンヘン劇場におけるK.Graunke指揮Symphonieorchester Graunke,によるライブレコーディングとなっています。(全曲収録なのかどうかちとわかりません)

あの有名な曲のモチーフが形を変えて何度も現われる序曲。
フンパーディングはワグナーのお弟子さんで有名とあって、ワグナーのオペラの序曲を思い起こさせるようなオーケストレーション、モノラル録音とごつごつとしたオケの音だからこそ とろとろっと甘く、聴いているだけで精神的飢餓を癒してくれるような音楽です。


1954年春組のヘンゼル役はFranz Daschner少年、グレーテル役はUlrich Kraus少年。

Haensel und Gretel 1954
*ライナーノーツP12

最多14公演をこなしただけあり、激ウマです。
ファスベンダー&グルベローヴァ女史のお若い時期と比べれば、全然荒削りですけど、オケをバックに、ボーイソプラノってここまで歌えるんですか状態で美声を轟かせています・・すごいわぁ。
2人とも声質は似ているのですけど、フランツ少年が若干華奢な感じで、ウルリッヒ少年のろうたけた声は大人っぽい。

夕べの祈りを含め、二人のソロデュエットは丁々発止といった雰囲気があり、スパーク状態。
フランツ少年の丁寧なハモリも見事です。
魔女退治の暁、ソロデュエットはクライマックス、ふたりで五線譜から上にとびだしたH(?)の音でハモッテいます。

確かに途中でピッチが危なくなったり、一瞬グレーテルが凛々しい男の子にもどちゃった的な箇所もありますが、ライブでここまでやるんだから凄いもんだと、あっという間に2枚聴いてしまいました。
ありがたいことにドイツ語歌詞全掲載、しかし、豚の耳になんとかです。

ちんぷんかんぷんで音楽を聴いていても、フンパーディングのマジックであ、やばい、お母ちゃん怒ってるとか、鼻歌交じりに登場するお父ちゃんに笑ってしまったり、(はじけっぷりという点ではプライ父のほうがウワテ)登場人物にあわせた音楽は語学の問題も吹き飛ばしてくれます・・多分。

魔女役はえらく男勝りな声だなと思ったら、男性でした。(August Buchnerさん?)動きが激しいのか、後半で時々息が上がってしまってます。基本的には甘くはつらつとしたテノールさんです。だけどフレーズの終わりに装飾音符入れまくって、ハッスルしまくり。どっちかっていうとテンション↑過ぎて空回りしているような印象・・なんて意地の悪い事は言ってはいけないですね。
魔女と対決するグレーテルは聞いていて緊迫感があります。

眠りの精がHeinz Meister君、露の精がDieter Hillebrandt君。
ディーター君は12月の公演でグレーテルを務めていますが、暁とか露という言葉の響きが美しいはずの妖精さんが、眠りこけた主役に起きろ~と水の入ったバケツを思いっきりぶちまける的な元気いっぱいさでつい笑ってしまいました・・しっとりかんゼロ。でも、高い音まで声量が滞りなしのストロングボイス。今年のハイドンコアのシンガポールの双子ちゃんやアーロン君とか、パリ木のフリースの子守唄での爆音オブリガート君を彷彿させます。

ジンジャークッキーだったこども達の魔法が解けて始まる終幕の合唱が、ろうたけた声で全員がヘンゼルとグレーテル状態。徐々に盛り上がるこども達の合唱とヘンゼルのソロのかけあいは大迫力。
レーゲンスすごいなぁ・・。

フィナーレの「Got der herr die Hand uns reicht!」の大合唱で盛り上がりは最高潮に達し、オケの音が消えた瞬間、客席が大興奮でなにやら叫びながら喝采を送っている様子が収録されていました。
戦時下も、戦争が終わってもいろいろ大変だった時代には歌うほうも聞くほうも力強い励ましになったのかもしれないなぁ・・なんて思ったりするのでした。
ヘンゼルとグレーテルはそういう音楽じゃないんだといわれれば、はい、まさしくその通りです。

録音の古さはほとんど気になりません。
時代が時代なら、話題が話題を呼び、レーゲンスブルク大聖堂聖歌隊によるヘンゼルとグレーテルと銘打ったワールドツアーが企画されたり招聘されたりしてもおかしくないレベルなのに、ドイツの一部の地域で完結してしまったのは残念。

それゆえよくぞCDにしてくださったです。
どうやら長じたウルリッヒ少年が、自らリマスタリングされ、2004年にUKプロダクションで発売されています。
お買い求めはパスカルさんのお店で。

曲目の詳細はこちらパスカルさんのお店で


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