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椿姫 9月19日 英国ロイヤル・オペラ日本公演@NHKホールを聴きました

ちょっと歩けば汗だくとなる 9月連休中日に行って参りました。

今年2度目の椿姫。

20100919.jpg

椿姫のゲオルギューさんとキーリンサイドさんかネトレプコさんのマノンかと迷いましたが、一緒に行く事になった京都の友人の日程と希望で椿姫のチケットを取りました。

ゲオルギューさんのヴィオレッタ楽しみにしていましたんですよ。
ツアー開始前のゲオルギューさんの降板ニュースにちょっぴりしょんぼり。

入り口には大入りの看板が立つ会場に到着し、ロビーでオペラのはじまる前の華やぎを満喫・・いよいよ客席の照明が落ちて、幕の開くぞという瞬間、舞台に現われたのは劇場監督さん。
「ゲオルギューさんがキャンセルとなり、代わりにエルモネラ・ヤオが主役を務めます」と口上。
それから、仕切りなおし。
前奏の寂しげな弦楽器のロングトーンで、ラ・トラヴィアータの世界に引き込まれます。

舞台の上では白いドレスに身を包んだヴィオレッタが壁に寄り添りかかって座っています。
その儚げなこと。
病魔に蝕まれ、不安と恐怖に耐える姿。
こみ上げてくる執拗な咳をぐっとこらえるような仕草と、呼吸困難が去るのをじっと待つだけのやるせなさそうでいて心細そうな姿、ヴィオレッタが表にみせまいとする姿がそこのありました。

あでやかに着飾った紳士・淑女が集まり、華やかなパーティのはじまり。
そしてアルフレードに出会い恋に落ちる第1幕。
名曲ぞろいで、華やかな椿姫のドラマティックな場面。

ところがどっこいシロウトが聴いていても、明らかにヤオさん調子がよろしくない。
細かい事は省きますが、オケとのアンサンブルも崩壊しかけた?的な箇所があり、
あれ~あれ~瀕死のヴィオレッタ状態です。

お行儀よく、お約束の拍手をしていた客席からは 1幕が終わるとどよ~んとした不完全燃焼のオーラが。

第2幕の前に再度歌劇場の監督さんが登場し、ヤオさんがアレルギー性の気管支炎だか喉頭炎(会場には急性結節性声帯炎と掲示されてました。)で、歌えなくなり2幕からはパッパーノの指示で代役に変わります。代役は今回マノンと椿姫のアンダースタディを勤めている米国出身のアイリーン・ペレス、現在お着替え中、実力は折り紙付だから、楽しみにしていてねのアナウンス・・
そのとたんにブーイングの嵐が沸き起こりました。
代役の代役登場に驚くよりも、コンサート会場ではじめて聞くブーイングにびっくら。
アイリーン・ペレスさんってどんな感じなのよう、と不安と期待が入り混じったなか第2幕がはじまりました。

その後のヴィオレッタは見事に復活、そしてオケもがんがんと情感たっぷりの麗しい音楽を奏ではじめました。
小柄で遠めにも容姿端麗、若くて可憐なペレスさんに釘付けです。
2幕というとキーリンサイドさん演じるアルフレードのお父ちゃんの見せ場なんですけど、これが非常に良かった。
田舎老紳士の理性と情の間を揺れ動く様が見事でした。
一方、アルフレード役の方は上背があり、容姿も声も軽やかなあま~いテノールで、アルフレード役にぴったり。でもなんとなぁく影が薄いです。

舞踏会のシーンはきらびやかでこれこそオペラだ~と満足しました。
研ぎ澄まされた合唱が大迫力でした。

第3幕。
ゲホゲホと喀血したあとらしいヴィオレッタ。お布団に血の染みまでこさえてありました。
身の置き所の無いほどの苦痛、息切れのため自分で歩く事ができないほど衰弱した様子に、死期が迫っている事を感じさせます。
ペレスさんの歌はか細い声から、力強い声まで変幻自在。
小柄で若若しいペレスさんが演じると、思い通りになることなどなく、若いのに惨めなまま死んでゆかねばならないことへの苛立ち、自分の人生を憐れみ歎き哀しむのではなく、目前に迫った死に、怒り歎くヴィオレッタがこれまた、すさまじい。
絶望のなかに突如現われたあの親子に対しても、その再会に喜んだと思ったら 遅すぎるわと怒ったり、私を忘れないでと懇願したり、狂おしいほどに乱れるヴィオレッタの迫力に圧倒されてしまいましたよ。
ラストは、アルフレードの胸の中で息絶えるのですけど、つかの間生きる喜びを見出したヴィオレッタが哀れでした。
これには「トリノの椿のほうが良かったわ、プンスカプン」とお怒りまくりだったお隣の方や、友人の隣の女性が慌ててバックからハンカチをとりだし、流れる涙を拭う気配に、ペレスさん渾身のヴィオレッタすごいかもと思うてしまいました。

カーテンコールはやっぱりペレスさんとキーリンサイドさん、パッパーノさんに最大の喝采。
オケピットでコントラバス奏者の方がペレスさんに向かって弓をぶんぶん振って喝采を送っていたのが印象的でした。

舞台美術・衣装はとても美しく、様々な陰影を生み出した照明は秀逸、管弦楽第2幕から良し、合唱素晴らしいと大満足。
ただ、主役交替劇については、不可抗力なのかな。
炎症一発で声が出なくなる人間の声ってはかない。
声帯炎が回復しきらないまま歌うのはかなり苦しかっただろうなぁ。
ヤオさんの壮絶な第1幕、大変だったろうな、早く治るといいな。
本調子ではないにしても、かなり艶やかな声だったので、通しで聞いてみたかったなぁ。

どこかで心がちくちくする思いを抱えてホールを後にしました。







ロイヤル・オペラ日本公演 22日の千秋楽の椿姫は、なななんとヴィオレッタをネトレプコさんが歌ったそうです。

あわわ。
あわわ。

お聴きになられた方が羨ましいです~・・・

ホールに足を踏み入れたから夢の時間が始まる。
極上の音楽で綴られる虚構の世界に集中し、酔いしれる至福の時間。
その限られた時間には、なるべく心乱されることがありませんように・・オペラの楽しみを見出し始めたビギナーとしてはそんなことを思った公演でした。



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