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Hear My Prayerを聴きました。

Hear My Prayer
Hear My Prayer

久しぶりに聴いてしまいました。
ウィンチェスターコレッジのこのアルバム。

収録曲は

1. Hear my prayer (F.Mendelssohn)
2. I know that my redeemer liveth(G.F.Handel)
3. O nomen Jesu(Du Mont)
4. I will lift up mine eyes(E.Walker)
5. Hear ye, Israel (F.Mendelssohn)
6. God is gone up(G.Finzi)
7. The Woodcutter's Song(R.V.Williams)
8. O mysterium ineffabile (J.F. Lalloutte)
9. Pie Jesu(G.Faure)
10. Stabat mater dolorosa(Pergolegi)
11. Vidit suum dulcem natum (G.B.Pergolegi)
12. Eia, mater, fons amoris (G.B.Pergolegi)
13. Quando corpus morietur (G.B.Pergolegi)
14. Amen(G.B.Pergolegi)
15. Te Deum in C (B.Britten)
16. Jubilate in E flat (B.Britten)

Hear my prayer
幾度となく様々な団体の演奏を聴きましたが、今回ソプラノソロを務めるHarry君の歌をきっかけに まじめに聴いてみました。

実はたった4つのパラグラフ、127単語からなる詞が、10分近いロマンシズムあふれる壮大な合唱曲になっています。
1844年初演、メンデルスゾーン晩年に近いころの作品になるのかな。

第1パラグラフ
一番最初の、オルガンの低いGの音。じつはこの音は全音符として4小節間ずうっと持続しているんですね。
このアルバムで初めて気づきました。ずしっとした重みを感じます。
ゆったりとしたオルガンの前奏に続き、滑らかで印象的な旋律のソプラノソロではじまります。
パラグラフのラストにI have no guideという一文があるのですが、メンデルスゾーンはno guideと3回も繰り返しさせています。なんでだろ?no guideなんだか心もとなく寂寥感のあるコトバですね。

ソプラノソロに続いて、合唱がユニゾンでテーマを模倣するとそれを打ち切るようにして2部では予想外の展開へ。
いきなり3/8拍子になります。
ソプラノソロと合唱が短いフレーズで交替に現れます。
合唱は3パートがユニゾン、ウィンチェスターコレッジの皆さんの合唱は激しく、荒々しい。
オルガンの先生も驚くくらい邁進していく勢いに面食らいます。
ラストの O God, hear my cry!・・・何度も叫び続けているように聴こえます。

第3部は、ソプラノソロによるレスタシーボ風の歌のあとに、音楽が劇的な転換が生じ、第4部のあの有名なO wings of doveが登場します。この旋律が優雅に聴こえるのは3連符のリズムだったんですね。
ようやくとんでもなく荒々しかった合唱は静けさをたたえ雰囲気が変わります。
各パートの重なりが複雑で、重厚ですね。ソプラノソロを包み込むような温かさに変わり、終息を迎えます。
そうそう。
第4部でも、ある言葉の繰り返しがあります。それはfar away。
Far away, far away,・・・メンデルスゾーンの脳裏にはどのような世界が広がっていたのでしょうね?

ソプラノソロはHarry Sever君、その類稀なる美声で説得力のある世界を表現しています。
録音が2004年6-7月とありますから、このとき12歳6ヶ月くらい。
若い。
それなのに合唱が勢いついちゃっても慌てることなく、とても丁寧に自分のパートを歌っています。
ハリー君の凛とした佇まいVSと合唱の男子らしい勢いが、ラストの方では瑞々しい歌に激変するところはおおっと思うのですよ。

以下トラック順に聴いていたら、毎回ブリテンあたりで力尽きてしまいましたので演奏者別にシャッフルして聴きました。

Harry君のソロ
I know that my redeemer liveth
メサイアの有名アリア、
ハリー君の歌声をどう形容していいのか貧困なボキャブラリーの持ち主のワタシは未だつかめておりません。
アレッドとコナーを足して2で割ったような声くらいとしか表現できないのがちと哀しい。
上品さと清潔感。ボーイソプラノとして声が抜群に美しい。それだけでなく聴くものの心を平らかにするように感じます。
録音時期が13歳前、もう一年あとだったらもっと違う表現で聞けたかもしれないなぁ、なんて欲張ったことも思ってしまいました。

Hear ye, Israel、
エリア第2幕最初の方で歌われるソプラノアリア。
波乱の第2幕を予測するような切ない旋律とドラマティックな展開部、前半は切なさにあふれているのに、展開部から後半部分にかけてのハリー君の歌は力強いです。

Pie Jesu(G.Faure)
フォーレク、ボーイソプラノ起用版を全曲で聴いて、いまだにこれだというソプラノソロバージョンに遭遇したことがないです。
合唱・管弦楽・男声ソロよし、しかぁしPie Jesu でがっくり、なんてことのほうが多いです。
一方、Pie Jesuのシングルカット音源はわんさかあります。
才能あるボーイソプラノにだけ与えられた「録音」という特別なチャンスのなかで、惜しみなく持ち前の資質が発揮されるがゆえんでしょうね。
シングルカットされたものを聞くたび、フォーレク全曲のなかで聴けたら最高だったのになと思うことが多いです。
もちろんハリー君のPie Jesuもそういう音源にあたります。
抑制の効いた禁欲的なPie Jesuです。
彼の持つクールで知的な一面(会ったことないけど)を感じます。
・・・・・Pie Jesuのシングルカット録音が苦手な理由、たぶん、冒頭のオルガンの和音だ。

Thomas君のソロ
The Woodcutter's Song (R.V.Williams)
オルガン・フルートに合わせてThomas Jesty君のソロです。
Thomas君は硬質でぴりっとした声。高音の伸びがぴいんとして張りがありますね。
叙情的な雰囲気です。何を歌っているんだろう~と調べたら、どうやら木挽き歌、という邦題があるらしいです。
あ、ワタシずっと、啄木鳥の歌と思っていました。ホントにぶわかです(恥)

曲は違いますが、こんな動画がありました。
いい声ですね~。

Chapel Choir
I will lift up mine eyes(E.Walker)
ロマンティックで甘い兄さんたちのコーラス、短いながらもD.Burnham君とB.Walton君のしとやかなソロが印象的です。
アルト(CT),テナー、バスの3部合唱だと思うのですが、清楚なお色気すら感じる合唱でした。

God is gone up(G.Finzi)
でたー英国合唱の大御所作品。
オルガンごりごり、オール男子合唱しかも冒頭ユニゾンだし。迫力がありますねぇ。
兄さんたちにQuirister君たち負けていません。たくましく勇壮な曲です・・あ、何を歌っているかさっぱりわからんのですけど、聴いているとスカッとします。

Te Deum(Britten)
合唱の入り組んだ難しそうな曲だなぁと。
ここでも強靭な合唱としっとりとした後に登場するハリー君のソロはメロディアスです。
またここでもハリー君の声が非常にきれいです。
合唱がかっこいい曲です、気に入った。

Jubilate in E flat
威勢のよい曲だなぁと思っているうちにあっという間に終わってしもうた。

Quirister
O mysterium ineffabile (J.F. Lalloutte)
Quirister君たちの16名ユニゾン。
なにげに16人全員でトリルかましています。Harry君とThomas君の声に混じって時々かわいらしい声が聴こえます。メンバーの中にはHugo君も参加していますね。おチビさん、つまりヒトケタ君もいそうです。

Duet
O nomen Jesu(H.Du Mont)ではメロメロですわ。
Harry君とThomas 君との2重唱。
2003年、2004年BBC Young Chorister of the Year優勝者の鉄板コンビ録音。
同じ団体に所属しているから可能だったのでしょう。

それにしても、ボーイズの2重唱曲ならいっぱいありそうなところにDu Montの作品を持ってくるところが意表をついていますわ。2人の声質にぴったりです。

2人の声は似ていますが細めで硬質なトーマス君との2重唱、ここではハリー君の中音域でうっとり。
オルガンのしっとりとした伴奏、シンプルなバロックの旋律、至福です。
2人でハモリながらsalva meと歌う終盤ではゾクゾクです。

実は昨年のウィーンのAプロSalva Reginaを聴いてからDu Montに惹かれ、Du Montの作品@ボーイズの音源を捜し続けておりまする。
いまのところハズレないのがいいわぁ。

Stabat Mater
Hear my Prayerとこのアルバムの双璧をなす作品が登場。
抜粋なのはわかっていても~アーメンコーラスは12曲目にくっついているので、実質4曲。
曲番号だけでいうと1,6,7,12。
う~ん。惜しい。
この2人のコンビだったら全曲ききたいですわ。

弟1曲は、ものものしい緊迫感のなかで2人ともクールに歌っております。
ソプラノとアルトデュエット、実はハリー君とトーマス君が聞分けられません。
だって声とか歌い方が似ているんだけどなぁ。
ファンとしてはレッドカード?
第6曲目のソプラノアリア、これはHarry君。
澄んだ声で静かにしめやかに歌っています。抑制がきいて、ある意味凄みがあります。
第7曲目のアルトアリアがThomas君、ボーイソプラノにはきつそうな音域、5線符(ト音記号)下の段あたりを滑らかに歌っています。落ち着き払った歌におお。
Thomas君のアルトソロをもっと聴きたかった、です。
第12曲目、2人の少年が静謐な祈りの曲となっています。心うたれます。
アーメンコーラス、ココはソロ2人、と思いきやQuirister君たちが登場。
若干元気いっぱいの2部合唱になっていました・・・Tolley先生、なんでですか?

少し前のChapel Choirの紹介動画の中でで ハリー君とトーマス君が並んで歌っていますよ、とKeiko様に教えていただき、そのかっこよさに鼻血を噴きましたです。


コメント

宗教曲としての解釈をしていると

hiromianさん、すっかりご無沙汰申し訳ありません。実家の親の問題で、すっかり生活のペースが狂ってしまったのですが、そろそろ落ち着くと思うので、CantoresのCDも間もなくお送りするつもりです。

いろんな掘り出し物?!CD、レコードの専門的な解説、すごいです・・・ちょっと前の記事で「レコードの神様降臨中・・」とありましたが、お気持ちよーくわかりましたよお・・・私もレコードには思い入れがあり(もろレコード世代)、学生時代から愛用していたYamahaのレコードプレーヤーを大切に保管していたのですが、プレーヤーだけあったって、どうしようもないし、部屋の隅でほこりをかぶっているだけなので、とうとう、パソコンなどと一緒に処分してしまったんです。結構いい品物だったから、もったいなかったんですけどね・・そのくせLPやEPは(ほとんどロックですが)捨てられないんですねーー

hiromianさんのコレクションは(特にウイーンは)、一部屋占領しているんじゃないですか??え、一部屋ところではない??(笑)

おっと、Hear My Prayerの記事でしたね、、

私も、このHMPに電撃的な衝撃を受け、それまで長年自分の中でボーイソプラノとしては絶対的に最高の位置にいたアレッドを、さっさと下ろして、Harryをそこに据えることになりました。アレッドのHMPも歌曲としてはそれはもう美しくまとまり、うっとりするわけですが、Harry は、この曲をとことん宗教曲として解釈していると思うんですよ。Without Thee all is dark. I have no guide...というところなんか、本当にもう、ひさまずいて、必死で祈っている心の叫びですよね。dark の[k]の発音がかなり強くて、すべては闇です!!という不安というか苦悶がよく表現されている、、、(このへん、アレッドは、さらっと滑らかに歌っていますけどね。)この苦悶も、次のHear my prayer...に移ると、がらりと柔らかい、希望のあるトーンに変わりますね。。1つの曲のなかで、実に様々な表情をみせるHarry の声・・・awesome...!!

それと、Tomの声もね、、私もほんとうに好きですね・・・・WoodcutterとNomen Jesu・・はいはい・・・・これ繰り返し聴いてれば、2、3日ご飯たべなくてもかまわん・・ってくらいに。(まさか・・・笑)

Judyさんがおっしゃっていたように、彼らのデュエットによるフルでのStabat Materの録音計画があったのですが、Tomが割と早く変声したため、結局立ち消えとなったというのは、なんとも無念ですねーううう、、、Tomの唯一のビデオ、いったん、ようつべから削除されていたのですが、最近また復活してよかった・・ちなみに、こんどのCantoresのCDで、彼の大人ソロが堪能できるのを楽しみにしていたのですが・・・・残念ながら、ほとんど彼の出番はないようです。

長々と、駄文にて失礼いたしましたーー <m(__)m>

(HarryのバリトンバージョンO Holy Nightもお楽しみくださいね。)



Re: 宗教曲としての解釈をしていると

うわあい、keiko様、ご無沙汰しております、
ハリーのバリトン聴きましたよ、超カッコイイです!

さて、このアルバムのHear my prayer ワタシも英国聖歌隊の音源のなかで一番好きです。

今回 久しぶりにHarry君の歌をじっくり聴いていたら、その豊かな表現に、その世界を知りたくなって、歌詞カードを眺めたり、しらべたり、譜面をDLしたり、ええ、ついでにデュエットしてました。
何度聴いても飽きませんでしたー

最終節のO for the wings, for the wings of a dove! Far away, far away would I rove!でのHarry君のroveの歌い方、余韻の残し方がとても好きです。
ところで、ワタシ、このroveという動詞にひっかかりを感じています。
英語にお詳しいKeiko様、初心的な質問で申し訳ないのですけど、roveという動詞はflyとかwander,driftとはどのようにちがうのでしょうか???
ぜひ教えてください。

>コレクションは(特にウイーンは)、一部屋占領しているんじゃないですか??え、一部屋ところではない??(笑)

ぎゃはは、いくらなんでもそんなに持っていないです、多分みかん箱ひとつ分でおさまる程度ですよう、あ、でも多いか(笑)

rove

返信おそくなりました・・<m(__)m>

うう。。じつをいうと、、大変恥ずかしながら、そこんとこはずうっとroamだと思っていました・・・roveって書いてありますね・・!

うーん,fly とか drift は、やっぱり物理的に浮遊するイメージなので軽い感じがするし、wanderは、あてもなく気ままに歩き回る、あちこちの土地をめぐって放浪するような、、、気楽で楽しい感じがします。

ランダムハウスでは、

rove: 餌(えさ)を求めてさまよう動物のように特定の動機または目的を持って,歩き回る:

とありますね・・・ハトさんの歌だから、自然にこれが出たのかな??

というか、、、単にこの動詞がwanderなどよりも文語的だからじゃないでしょうか。それと、前の行のdoveと押韻するため、、と一瞬思ったんですが、発音違いましたね。。でも綴りの上でも似たのを持ってくる、というのがネイティブの詩人さんには自然なのではないでしょうか。。

その程度しか考えつかないです・・・(汗)

Re: rove

keiko様、ありがとうございました。

文語的な言葉なのですね。
「特定の動機や目的をもつ~」というご説明で疑問が解決しました。
その響きがハリー君のソロでは、roveの歌い方がとても印象に残り ずっと気になっていたんです。

またいろいろ教えてくださいねー!

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