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Vienna Boys Choir 1930年代の歌声

Vienna Boys Choir: Carols, Johann Strauss & Pergolesi Stabat Mater
Vienna Boys Choir: Carols, Johann Strauss & Pergolesi Stabat Mater

こちらのCDは1933年から39年のコンピレーション,1996年リリースです。
個人所有の78回転SPレコードがもともとの音源です。
一部を除いてV.Gomboz先生の指揮、ニューヨークでの録音とあります。

75年の時を経て、鮮やかな歌声がよみがえります。
つんとすましたようなどことなく可愛らしい声、よく伸びる明るい歌声は、同じ団体でも耳に馴染んだ60年代以降の歌声とは別物です。
しかし、かわいい声系の合唱ではあっても、どこかゆるい合唱ではないのです。
アンサンブルは緻密だし、難しいそうなことをさらりとやってのけてしまいます。

ぱちぱち、ちりちり・・古いレコードにありがちなノイズの向こうから聞こえてくる、どこか懐かしい歌に惹かれます。

収録曲は

1. Adeste Fideles
2. Noël
3. Angels we have heard on high
4. Maria auf dem Berge
5. Es hat sich halt Er&0uml;ffnet
6. Ayapo!
7. Weihnachtslied auf dem Vintschgau
8. Stille Nacht, Heilige Nacht
9. La Girometta
10. An der Sch&0uml;nen Blauen Donau
11. Brüerlein und Schwersterlein (Du und Du)
12. Klänge der Heimat (Czardas)
13. Kaiser Waltzer
14. Pizzicato Polka
15. Radetzky Marsch
16. G'Schischten aus dem Wienerwald
17-26. Stabat Mater [Pergolesi]


Track1-8 まずは1938年10月14日のレコーディングの「世界のクリスマスキャロル集」。

花形ソプラノソリストのHans Schneiderさん(さすがに君は・・)のソロアルバムのようですよ。
伸びやかで愛らしい声。
技巧的にも安定しています。
オルガン伴奏に乗せて歌われるAdeste Fideles、Hans S.さんの伸びやかで愛らしい声と合唱の温かみ。いいなあ。
Noël、Angels we have heard on high はアカペラの少年だけの3-4部合唱。
自然にかかるビブラートの美しさと濁りのないハーモニー。
ピアニッシモでオルガン前奏ではじまる Maria auf dem Berge途中のソロアンサンブルの気高さ。
ここでのHans S.さんのオブリガートが圧巻です。
Ayapo!、ハミングのコーラスをバックに しっとりと歌うHans S.さんのソプラノソロ。
ここでは高音の揺らぎ方がマジで美しいです。
Weihnachtslied auf dem Vintschgau、こちらも戦後の音源に登場していますよね。
たくましいソロプラノそろはやっぱり、Hans S.さん
Stille Nacht, Heilige Nacht、アカペラ、こんな込み入ったアレンジはじめて聴きました。
時々入るソプラノオブリガートが、ちらつく雪のようです。

La Girometta
1937年11月20日の録音。
なんとまあ、幼い声に腰砕けになりました。
中間部のたっぷりとしたコーラスと、ユーモラスな冒頭のヘタウマな合唱が愛らしい。
一度聞くと、耳から離れませんよ、気づくとりろめったぁ、りろめったぁと口ずさんでしまいます。
ジロメッタのジの発音が難しいのか録音のせいか、ジロメッタがりろメッタに聴こえてしまう・・うぷぷ。
かわいらしいことこの上ないです・・やられたぁ。

同じ日の録音である、G'Schischten aus dem Wienerwald
スキャットのハーモニーとピアノの前奏が意表をついた始まり方です。
1937年組(勝手に命名)は、声がどぎついくらい幼く、小鳥の囀りそのもの。
アルトはしっかり地声系。
つんざくようなソプラノは聴くものの耳もハートも破壊しつくします。

上の2曲と次の美しく青きドナウは、ウィーンでの録音。
指揮はカール・エッティ先生。
え、カール・エッティ先生?
エッティ先生といえば、ウィーンの森少年合唱団のカペルマイスター。
ホームページで確認すると1912年のお生まれで、90年代半ばに鬼籍にはいられております。
先生のウィーンの森少年合唱団への着任が1947年。
ウィーン少にもおられたのですかな。

An der Schönen Blauen Donau
なんと1933年春分の日の録音。さすがに音が古い。
ピアノ伴奏+こっそり弦楽伴奏が入っています。
コーラスアレンジがかなり凝っていて、現在のものと全然違うのですが、なんだか落ち着くなぁと。
ソプラノソロのばりばりとした爆音系オブリガート迫力あります。
ライナーノーツには、世界的に流通した初ドナウとあります。
もしや当時の首脳陣が、あまり流通させたくなかったと青きドナウの音源ってこれのことかしら?

J.シュトラウス作品は1939年1月6日の録音。
オペレッタ「こうもり」の、Brüerlein und SchwersterleinとKlänge der Heimat
オトナ顔負けのソリストアンサンブルと合唱が楽しいです。
ソリスト君の名前がクレジットされていませんが、おそらくHans Sさんでしょう。芸域の広い子だぁ。
今頃、どうなさっているのかなあ。

Gomboz先生のアレンジの皇帝円舞曲、
合唱の力強さと優美さ。
ワルツのリズムもしっかりウィーンだし、ピアノ伴奏と歌だけにしても豊かな情感があります。
現在では聴く事のできない濃密で完成度の高い作品ですね。
Pizzicato Polka、ぴりん、ぶるん、びょん・・・・ピツィカートだけのモノマネ音だけかと思いきや、
ドイツ語の歌詞付です。チャーミングです。
Radetzky Marsch、しっかりとしたマーチ、鉄壁の合唱はお見事です。


ラスト、ペルゴレージのStabat Materは1939年1月5日ニューヨークでの録音とあります。
戦前最後となった、1938年10月から1939年1月にかけて行われた7回目の北米ツアーでの録音になるのかな。
ツアーコンサートでは耳にする機会があっても、音源は39年録音のこれのみ。
しかも、12曲中9曲だけです。
なぜだああっつ
ああ、惜しい。
全曲聴きたいです。

伴奏はハープシコードとstring orchestraの珍しい組み合わせ。
ハープシコードが入るバージョン、お初です。
Scheredk版の譜面に忠実で、とても真面目な器楽伴奏ですが、大変失礼ながら、聴いているほうがちょいと恥ずかしくなってしまいまする。
アーティキュレーションたっぷり、あっていいのか的なダイナミクスあり、テンポが途中でのびたり、縮んだり、まさしく変幻自在なスタイル。
曲の最終小節あたまからきっちりリットかけるのやめようね・・

しかも。
彼らの合唱もどことなくオペラチック。
宗教曲なのに、「謡」があります。
高い音に移る時になんていうのかな、弦楽器でいうグリッサンドみたいのがかかる時があるんですよ。
しかもソリスト君だけでなく、合唱でもやっています。
すごいんだか、どうなのかシロウトにはわかりません。

こうなると、いつの音楽なのよう、ではなく「その当時のスタイル」、ですね。

1曲目は合唱→2曲目前奏カットのソプラノソロ→3曲目合唱→5曲目デュエット→7曲目のアルトソロ部分カット→11曲目デュエット→8曲目合唱→9曲目途中ばっさりカット→12曲目が合唱、そのまま圧巻のアーメンコーラス。
という具合に、ずいぶんと変則的なStabat Mater。

Hans S.さんの、ストレートながらも表情豊かなソプラノソロ。細かい音型も丁寧ですし、滑らか。
さすがですよ。
アルトソリストはHans Frankさん。
少し鼻にかかった声ですが、きりっとしたボーイアルトです。
2部の合唱なんかは緊迫感と凄みがあります。
ライナーノーツにアメリカツアーに出かける直前のメンバー写真が掲載されています。
アットホームで微笑ましい素敵な写真です。
この団員さんたちが歌っているんだなぁと思うと感慨ひとしおです。

そして。
ぱちぱち、ちりちり音とともに音楽が終わりました。
Stabat Materに漂う、どこか哀切な響きにじいんとしてしました。 



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